转自:外交部发言人办公室
2025年3月7日、第14期全国人民代表大会第3回会議のテレビ記者会見がメディアセンターで行われ、中国共産党中央政治局委員、王毅外交部長は中国の外交政策と対外関係について内外の記者からの質問に答えた。
王毅:報道陣の皆さん、こんにちは。皆さんと再会できたことを嬉しく思います。記者の皆さんの中国外交に対する変わらぬご関心とご支持に感謝します。2024年は国際情勢が深刻に変化する年であり、中国の改革と発展が大きな一歩を踏み出した一年でもあります。中国外交は習近平総書記の指導のもとで重要な進展を遂げ、質の高い発展を実現するために良い外部環境を整え、変動が絡み合う世界に貴重な安定性をもたらし、人類運命共同体の構築が着実な一歩を新たに踏み出しました。今年の国際情勢は依然として試練に満ちていますが、中国外交は初心を変えず、引き続き各国と共に、人間としての正しい道を断固として堅持し、時代の流れを把握し、国際公平と正義を守り、世界の平和と安定を維持します。それでは、皆さんの質問に答えたいと思います。
中国中央テレビ記者:過去一年間の中で、元首外交はどんな成果を遂げたのか、また今年はどんな新しい見どころがあるのか、ご紹介していただけるのでしょうか。
王毅:元首外交は中国外交の最高の形です。過去一年間の中で、習近平主席が自ら構想を描き、率先して実行し、元首外交は豊かな成果を遂げ、その素晴らしい光景が今でも鮮明に思い出されます。平和共存五原則発表70週年記念大会、中国・アフリカ協力フォーラム北京サミット、中国・アラブ諸国フォーラムという3つのホームグランド外交を通じて、グローバルサウスが手を携えて新たな模範を築きました。ヨーロッパ、中央アジア、ブリックス、ラテンアメリカなど、4回の重要な外国訪問をもって、世界の団結と協力の新たな原動力を結集させました。そして、習近平主席は数多くの外国政府要人や友人をもてなし、130回以上の会談と会見を行い、中外の友好関係に新たな美談を書き加えました。
大国と大党のリーダーとして、習近平主席はグローバル的視野と歴史的使命をもって、中国外交を導き、伝統を守りつつ革新を進め、着実に前進させ、中国と世界との関係を積極的かつ深遠に変えていきます。その一は、中国の外交政策特に習近平主席が提出した重大な理念とイニシアチブは、ますます国際社会からの歓迎と支持を得ています。その二は、様々なグローバル的チャレンジの対応、ホットイッシュや難問の解決における中国が果たした積極的な役割は、ますます世界各国から期待と評価を得ています。その三は、中国式近代化の道の成功と啓発は、ますます多くの国々に賛成され、参考されるようになっています。
2025年は中国にとっても、世界にとっても重要な年であり、元首外交は新たなハイライトを迎えます。先月、習近平主席がハルビンでアジア冬季競技大会開幕式に出席し、今年のホームグランド外交の幕を開けました。今年は、中国人民抗日戦争と世界反ファシズム戦争勝利80周年を盛大に記念することや、上海協力機構首脳会議を主催することなど、一連の重大なイベントを催す予定です。習近平主席が重要な外国訪問を数回行う予定です。元首外交は中国と世界が共に歩み寄り、お互いに成し遂げるというような新しい一ページを書き綴ります。
ロシア・イタルタス:昨年以来、中露両国の指導者は緊密な接触・往来を展開し、両国関係は健全な発展を遂げています。ここのところ、ロシアとアメリカが対話が行われ、それは中露の戦略的協力に影響をもたらすかどうか、懸念の声も上がっています。中露関係についてのご所見をお聞かせください。
王毅:中露関係については毎年聞かれますが、アプローチがその都度変わります。強調しておきたいのは、国際情勢がいかに変化しようとも、中露友好の歴史的論理には変わりはなく、内発的原動力には衰退することはありません。
双方は歴史の経験をしっかり取りまとめ、恒久的な善隣友好を決定し、包括的戦略協力を展開し、互恵協力ウィンウィンを求めていることは、これは両国国民の根本的利益にもっとも合致し、時代の発展と進歩の方向にも合致するからであります。中露両国はすでに「同盟関係を結ばず、対抗せず、第三国を対象にせず」という道を模索し、新型大国関係の先頭に立ち、隣国同士の関係の模範となりました。成熟且つ強靭で安定した中露関係は一時期や一つの出来事によって変わることなく、ましてや第三者に妨害されることはありません。それは変動する世界の定数であり、地政学的ゲームの変数ではありません。
昨年は中露国交樹立75周年であります。習近平国家主席とプーチン大統領は三回にわたって対面で会談を行い、共に両国の新時代における包括的な戦略的協力パートナーシップを歴史の新たな段階へとリードしました。
今年は、第二次世界大戦勝利80週年であります。中露両国はかつてアジア戦場とヨーロッパ戦場で血を浴びて奮戦し、世界反ファシズム戦争勝利のために多大な犠牲を払い、重要な貢献を寄与しました。双方はこの重要な歴史的節目の共同記念を契機に、正しい第二次世界大戦史観を発揚し、国連を中心とする国際体制を維持し、国際秩序をより公正且つ合理的な方向に向けて発展することを推進してまいります。
新華社:王毅部長は先ほど、2024年の中国外交は変動と混乱の世界に貴重な安定性を与えたと仰りました。2025年の国際情勢はさらに混迷する可能性がありますが、中国外交の役割についてお尋ねいたします。
王毅:ご認識の通り、世界は混迷する中、確実性は国際社会の希少な資源になりつつあります。各国とりわけ大国の選択は、時代の流れを決定し、国際社会の仕組みに影響します。中国外交は揺るぎなく歴史の正しい側と人類の進歩する側に立ち、中国の安定性を以って不確実性が日増しに増える世界を安定させます。
われわれは国家の利益を守りぬく確固不動なパワーとします。中国の人民は自彊不息の光栄な伝統があります。われわれは、事を起こすことは一度もなかったし、ましてやことを恐れはしません。いかなる最大限の圧力をかけることや威嚇は14億の中国人民の一致団結を揺るがすこともできないし、中華民族の偉大なる復興の歴史的な歩みを阻むこともできません。
われわれは世界の平和と安定を守る正義なパワーとします。平等・開放・協力のグローバルパートナーシップを引き続き展開し、中国の特色あるホットイッシュへの解決策を積極的に実践し、グローバル・サウスとともに団結・自彊の新たなチャプターを書き記してまいります。われわれは、平和と発展の道は長期的且つ安定的な光明に満ちた道であることを事実を以って証明させます。
われわれは国際の公平と正義を守る進歩のパワーとします。真の多国間主義を堅持し、人類の前途と人民の福祉を目指し、共に協議し、共に建設し、共に分かち合うというグローバルガバナンスを推進し、国連憲章の宗旨と原則を遵守し、平等且つ秩序ある世界の多極化を構築すべく、より広範なコンセンサスを凝集してまいります。
われわれは国際社会の共同発展を促す建設的なパワーとします。ハイレベルの対外開放を引き続き拡大し、各国と中国式現代化の幅広いチャンスを共有します。各国の人民が発展と繁栄を共有すべく、多角的・自由貿易体制を守り、オープンで包摂・差別のないビジネス環境を醸し出し、包摂・包容の経済グローバル化を推し進めます。
CNN:トランプ大統領は「アメリカファースト」政策を遂行し、就任当日に大統領令に署名し、アメリカが国連人権理事会、世界保険機関(WHO)から離脱することを宣言しました。これは中国にとって、国際事務において国際構造を再構築する戦略的チャンスではありませんか。
王毅:世界には190以上の国があります。もし、すべての国が自国優先を強調し、実力の地位を盲信したら、この世界は再びジャングル法則に逆行し、小さい国と弱い国が最も早く影響され、国際規則と秩序が深刻な打撃を受けるでしょう。
百年以上前のパリ講和会議で、中国人が「正義は強権に打ち勝つのか」、それとも「強権こそが正義なのか」という歴史的質問をしました。中国外交は断固として国際正義の味方であり、強権と覇権に断固として反対します。歴史は前に進むべきで、逆行することはできません。大国は大国であるべき姿と責任感を持つべきです。ひたすら利益に走るではなく、信義を守らなければなりません。欧米には「永遠の友人はいない、あるのは永遠の国益だけだ」という言葉があります。しかし中国から見れば、友人は永遠であり、利益は共同であります。
習近平主席は歴史の大勢を把握し、時代の最先端に立ち、人類運命共同体の構築を打ち出しました。各国が食い違いを乗り越え、人類が唯一住める地球を守り、共に運命をわかち合う地球村を築くことを提唱します。この重要理念は中国の「天下は公なり」という優秀な伝統文化と中国共産党の国際主義の精神を見せつつ、「会当に絶頂を凌ぎ、一覧衆山を小とすべし」のように、全人類の福祉という高い角度から俯瞰することができます。喜ばしいことに、ますます多くの国が運命共同体の構築に参加し、100以上の国が「3つのグローバルイニシアチブ」に支持し、更に4分の3を超える国が「一帯一路」イニシアチブに加入しました。歴史が証明するように、全人類の運命を胸に抱いてこそ、真の勝者となります。手を携えて人類運命共同体へ歩み寄ることで、世界は各国の世界になり、未来は全人類の未来になります。
インドネシア共和国ラジオ(RRI):世界がより不安定・不確定になれば、発展途上国と中小国家はさきに犠牲品になるリスクが高くなります。当面の世界情勢の中、グローバルサウスの国々は、どのようにして自身の利益を守るべきかについて、ご意見をお伺いしたいと思います。
王毅:本日の世界は、風雲が渦巻くように激動しています。その風も潮も南方からかかって来て、グローバルサウスの成長は、この時代の最も鮮明な印となっています。今のグローバルサウスは、経済総量が世界総生産の40%を越え、世界経済への寄与率が80%に達しています。国際平和を維持し、世界発展を引率し、グローバルガバナンスを改善するキーパワーとなっています。
百年間のない世界大変局のもと、東西、南北の関係には、一進一退の歴史的な変化が現れています。未来に向かって、世界を安定、発展させる鍵は、グローバルサウスにあります。
グローバルサウスは自ら努力しなければなりません。今年の年始に、インドネシアが正式にブリックスに参加し、他9カ国が「パートナー国」として加入しました。ブリックスはグローバルサウス協力の大黒柱と成長のエンジンになりつつ、我々は「ビッグブリックス」を更に大きくし、グローバルサウスの前へ進む原動力を一層強くします。
グローバルサウスは団結しなければなりません。中国の主催する上海協力機構サミットのほか、ブラジルと南アフリカはそれぞれ今年のブリックスとG20サミットを主催することになります。我々は国際社会で一致した声を広げ、共同な利益を守り、グローバルガバナンスにおける代表性と発言権を向上させます。
グローバルサウスは発展しなければなりません。昨年11月、習近平国家主席は中国のグローバル発展支援の8つの行動を発表し、グローバルサウスの加速発展に新たな原動力を注ぎました。我々は発展の国際課題中心地位を堅持し、発展の原動力を育ち、発展の能力を高め、手を携えて現代化の道に進みます。
中国はグローバルサウスの自然メンバーです。それは、我々には反植民主義、反覇権主義の共同歴史と発展、振興の共同使命があるからです。国際情勢がいかに変動しても、中国は終始グローバルサウスと心をつなげ、グローバルサウスに根を下ろし、グローバルサウスの他のメンバー国とともに、グローバルサウスの新しい時代エピックを綴って参ります。
ブルームバーグ記者:アメリカとロシアは、ウクライナ危機の終結に向けて直接協議を開始しました。トランプ大統領は、このプロセスの中で中国からの協力提供を歓迎するとしました。中国側のお考えでは、そのために、中国がような役割を果たすべきのでしょうか。
王毅:中国側はウクライナ危機発生して以来、対話と協議を主張し、政治的な解決を求め、平和のために尽力し、協議促進のために努力してきました。習近平主席はウクライナ危機の初期段階で、「四つのすべき」という重要な主張を打ち出し、努力すべき方向を明確にしました。中国側はそれに基づき、ウクライナ危機に関する立場文書を発表し、特使を派遣してシャトル外交を展開し、ブラジルなどのグローバルサウスの国々と一緒に、国連で「平和の友」を提唱しました。中国側は終始して客観的かつ公正な立場を堅持し、冷静でバランスの取れた声を発信し、その目的としては、危機解決のために条件を作り上げ、共通認識を凝集させることです。
中国側は平和に尽くすためのすべての努力を歓迎して支持します。それと同時に注意する必要があるのは、この危機の源は複雑に絡み合い、氷が三尺になるのは一日の寒さによるものではなく、それを溶かし解消するのも一日ではできません。しかし、衝突には勝者がいなく、平和に敗者がいません。交渉のテーブルは衝突のゴールで、平和のスタートラインでもあります。各方の立場は完全に一致しているのではありませんが、公平で、持続的かつ拘束力のある、各当事者が受け入れられる平和協議の達成を望んでいます。これは、得難い貴重な共通認識であり、共に努力すべき目標でもあります。中国側は当事者の意志に基づき、国際社会と共に、危機の最終的な解決と持続的な平和の実現に向け、引き続き建設的な役割を果たしていきたいと思います。
最後に指摘したいのは、ウクライナ危機が3年以上に長引き、それを振り返って見ると、この悲劇は避けられたはずです。各方は危機から教訓を汲み取るべき、安全は相互的で、かつ同等のものでもあり、一国の安全は他国の不安全の上に構築することはできません。共同で、総合的、協力的、持続可能な新安全観を提唱して実践してこそ、ユーラシア大陸ひいては世界の長期的な安定が実現できるようになります。
CGTN記者:DeepSeekの劇的な躍進は、中国の人工知能分野におけるイノベーションの能力を示しています。アメリカが中国の科学技術のリーダーシップを受け入れられないと思っている人がいます。中米の科学分野における競争をどう思われるのでしょうか。
王毅:この間、中国の科学技術のイノベーションは、度々人々の想像の限界を越えています。昔の「二弾一星」から「神州」、「嫦娥」から、今日の5G、量子計算、DeepSeekに至り、中国人の世代を超えた奮闘は一度も止まることはなく、中国の科学技術強国への道は、より一層広がりを見せています。
当然に、この道は決して平坦な道のりではありません。宇宙科学技術にせよ、半導体チップ製造にせよ、外部からの封鎖や抑止が一度も止むことはありません。しかし、封鎖があるところには必ず突破があり、抑圧があるところには必ず革新があります。嵐が最も激しいところこそが、まさに「哪吒の大暴れ」や「意気衝天」の舞台となります。漢詩曰く「青山は遮ることはできず、畢竟東へ流れゆく」、小さな庭の高い壁(スモールヤードハイフェンス)はイノベーティブな思考を阻むことはできず、デカップリングとサプライチェーンの分断は結局、自分自身を孤立させるだけとなります。
科学技術は鉄のカーテンを築く手段になるべからず、普遍的で共有される財産にしかるべきです。人類の共同発展を推し進めるために、中国は習近平主席が打ち出した「グローバル人工知能ガバナンスイニシアチブ」を真剣に実行させ、「人工知能能力構築普及計画」を提唱し、ブラジル、南アフリカ、アフリカ連合と共同で「オープンサイエンス国際協力イニシアチブ(OSICI)」を立ち上げました。当イニシアチブは、グローバルサウスの科学技術能力の構築を重視し、どの国も取り残されないよう支援していくとアピールしています。我々はより多くの国々とイノベーションの成果を分かち合い、みんなと一緒に星と海を追い求めていきます。
ロイター:トランプ大統領が再任してまもなく、フェンタニル問題を理由に中国製品に対し、新たに追加関税を課すことにしましたが、中国と良い関係を築きたいとも表明されました。トランプ1期目に比べて、中国側とアメリカ側との接触の方式はどんな違いがあるのでしょうか。
王毅:相互尊重は国と国の往来の基本準則であり、中米関係の重要な前提でもあります。中国を制圧・抑制しつつ、中国と良い関係を発展しようとする幻想を抱いてはいけません。こうした「両面人間」のようなやり方は二国間関係の安定につながらないし、相互信頼を築き上げることもできません。
フェンタニルについて言及されましたが、まずはっきりしなければならないのは、中国は一貫して麻薬の不法制作・販売を断固として取り締まっており、世界で最も厳格な麻薬対策を最も徹底的に実施している国であります。2019年、中国側はアメリカ側の要請に応じて、世界で初めてフェンタニル類物質の全面的な規制をしました。フェンタニルのアメリカにおける濫用はアメリカ自身が向き合って解決する問題であります。アメリカ側は中国に対して恨みを持って徳に報い、ましてやむやみに追加関税を課すべきではありません。これは責任ある大国のなすべき行為ではありません。
「行うて得ざること有れば、皆反って諸を己に求む」(自らのできごとが思い通りにならなかった場合、自ら省みる必要がある)。アメリカ側はここ数年の関税戦争、貿易戦争から何を得たのか、振り返るべきであります。中米の経済貿易関係は相互的で、対等的であります。アメリカが協力の道を選ぶなら、互恵ウィンウィンを実現することができます。ひたすら関税を課したら、中国は断固として対抗措置を取ります。
世界で最大の発展途上国と先進国として、中米両国はこの地球で長く存在していくでしょう。そのため、平和共存すべきであります。習近平主席が今年の年頭にトランプ大統領との電話会談で指摘したように、衝突と対抗は選択肢になるべきではありません。中米両国は広範な共通利益と広大な協力の可能性があります。両国はパートナーになり、お互いに成就し、共同に繁栄します。
中国側は引き続き、習近平主席が提起した相互尊重、平和共存、協力・ウィンウィンの三原則に従い、中米関係の安定且つ健全で持続可能な発展を推進します。それと同時に、アメリカ側が両国人民の声に耳を傾け、歴史発展の大勢を見極め、中国の発展を客観的・理性的に認識し、積極的に対中往来を展開し、中国側とともに、両国と世界のために利益と福祉をもたらす中米関係の正しい道を歩むよう希望します。
人民日報:中国は現段階、上海協力機構(SCO)の役割についてどう見ていらっしゃいますか。中国が上海協力機構の輪番議長国の担当期間中、どのような提案を提出するのと、来たる中国で行われる上海協力サミットにはどんな議題を議論されるのか、お尋ねいたします。
王毅:今年は上海協力機構(SCO)の「中国年」であります。上海協力機構は中国で誕生し、上海の名で命名し、私達に特殊な意味を有します。上海協力機構の会合をホームグラウンドで再び迎えることを嬉しく思います。
更に喜ばしいことは、24年間の発展を経て、上海協力機構は6つの加盟国から26カ国の「大家族」まで拡大し、世界で最も広範で、人口が最も多い地域協力組織となりました。
上海協力機構が今日まで発展してきた重要な原因は、「上海精神」を一貫して発揚し、相互信頼、互恵、平等、共に協議し、文明の多様性を尊重し、共同発展を図るという初心を堅持し、新たな地域協力の道を切り開くことができたことにあります。
輪番議長国として、中国は今年「上海精神の発揚:行動するSCO」をスローガンに、政治、安全保障、経済、人的文化などの分野で100あまりのイベントを開催しています。我々は「中国の行動」で「上海精神」の輝きを増し、「中国のエンジン」でSCOの車輪を力強く回してまいります。
ここで皆さんに通報します。今秋、中国は天津で上海協力機構サミットを開催します。その際、SCO理事国の指導者らは海河の浜辺に集まり、成功の経験を取りまとめ、発展の青写真を描き、協力のコンセンサスを凝集することによって、SCOの中国から再スタートを実現させ、より緊密なSCO運命共同体の構築を推し進めてまいります。
環球時報:目下の国際秩序は第二次世界大戦以来、もっとも危険な時期にあり、国連の権威と役割は弱体化されつつあるとの観点があります。中国側から見れば、この局面をどう回避すべきでしょうか。中国はどのような役割を果たされますでしょうか。
王毅:今年は国連成立80週年であります。第二次世界大戦が終結する前後、国際社会の最重要決定は国連を成立させ、世界平和を守り、グローバルガバナンスを展開するもっとも重要なプラットフォームを作り上げたことであります。事実が証明しているように、国連は試練に耐え、役割を果たしてきました。
今日に至って、情勢が大きく変わり、一国主義、強権政治が氾濫し、一部の国は国連に対してあれこれの質疑を出しましたが、中国側は、矛盾が複雑であればあるほど、国連憲章の宗旨と原則からかけ離れられず、挑戦が緊迫であればあるほど、国連のしかるべき権威を守るべきだと認識しております。
各国は世界がジャングル法則に戻ることを回避させると望んでおります。そのためには、まず主権平等の礎を固め、国が大小と強弱を問わず、国際社会における平等な一員であることを認め、腕が太くて拳が大きいからといって、主導権を握るわけにはいきません。第二に、公平正義の原則を堅持し、一部の国による国際事務の独占を反対し、グローバル・サウスの訴えにより多く耳を傾けられ、各国の正当な権益は十分守られるべきであります。第三に、多国間主義の理念を遵守し、共に協議し、共に建設し、共に分かち合う原則に則り、包摂・協力によって集団的対立を取って代わり、「大きな団結」によって「小さなサークル」を打ち破ります。第四に、国際法治の権威性を強化し、大国は尚更先頭にたって、誠実と法治を尊重して遵守し、ダブルスタンダードと「選択式適用」に反対し、ましてや強者が弱者をいじめ、巧取豪奪のようなことをすべきではありません。
中国は第二次世界大戦後の国際秩序の創設者と受益者であり、当然のことながらこの秩序の維持者と建設者でもあります。われわれは新たな秩序を創る用意はなく、いかなる国が現存の秩序を翻してやり直すことを支持しません。
国連安保理の常任理事国として、中国側は自らの国際責任を重く受け止めております。中国は国連の中心的地位を揺るぎなく守り、多国間主義体制の大黒柱とし、グローバルサウスの正義の味方になります。中国側は先月、「多国間主義を実践し、グローバル・ガバナンスを改革・改善する」をテーマにする国連安保理のハイレベル会合を主催し、100あまりの国々が積極的に会合に参加し、国連成立80週年を記念する幕を開きました。われわれは各側とともに、国連創設の初心を改めて振り返り、国連憲章の趣旨と原則を順守し、より公正且つ合理なグローバルガバナンス体制を構築して参ります。
トルコアナドル通信社:アメリカ側が、「ガザ地区を所有して再建する」とし、この地区のパレスチナ住民を近隣の国へ移住させると発表しました。中国側はアメリカ側の計画とガザ地区の今後の見通しについてどう見ていらっしゃいますか。中国側は中東の平和と安定のためにどのような役を演じるでしょうか。
王毅:ガザはパレスチナ人民に属し、パレスチナ領土不可分の一部であります。いかなるガザの地位を強制的に変更させる行為は、平和をもたらすことなく、新たな変動と混乱を引き起こすだけであります。人民の意志から背き、公理を廃止させるわけにはいきません。大国は本当にガザの人民に関心を寄せるならば、責任ある態度を見せ、ガザ地区の完全且つ持続的な停戦を推進し、人道主義救助を強化し、パレスチナ人によるパレスチナをガバナンスする原則に則り、ガザ地区の再建に貢献すべきであります。
中東の安定なくして世界の安定は容易なものではありません。パレスチナ問題は終始中東問題の核心であります。パレスチナとイスラエルの衝突の連鎖の原因は、「二国間」は半分しか実現できなかったことにあります。イスラエルはとっくに国として成立しましたが、パレスチナは国として存在することは遥かに遠い目標であります。国際社会にとって、次の段階の努力の重点を、「二国家解決」に置くべきであります。そうしてこそ、パレスチナとイスラエル双方が友好的共存することができます。そのため、パレスチナ各派は「北京宣言」に実行を移し、団結自強を実現します。中東各方面は、食い違いを超えてパレスチナ側の建国を支持します。国際社会は、パレスチナとイスラエルの平和のため、コンセンサスを凝集し、支援を提供することであります。
中国は中東諸国の戦略的パートナーであり、アラビア兄弟の真摯な友人であります。中国側は引き続き中東の人々のために正義と平和を呼びかけ、発展を促して参ります。中国側は中東諸国が前途と運命を自らの手に握り、発展の道を自ら探り、平和と振興の夢を早期に実現することを支持します。
ナイジェリア通信社記者:昨年中国は中国・アフリカ協力フォーラム北京サミットを成功裏に開催しました。今年、部長の初訪問先もアフリカでした。中国側は、中国・アフリカ協力フォーラムサミットの成果をいかに実行に移し、アフリカの発展と振興に力添えをしていくのでしょうか。
王毅:中国とアフリカは従来から、運命をともにする良い友人、良いパートナー、良い兄弟です。習近平主席とアフリカ側の指導者のリーダーシップのもとで、中国・アフリカ関係は史上最も良い時期に入っています。中国とアフリカのすべての国交樹立国は、戦略的パートナーシップの「全域カバー」を実現し、中国・アフリカ運命共同体の位置づけを「全天候型」のレベルに昇格しました。
今年は中国・アフリカ協力フォーラム設立25周年にあたります。25年来、中国側はアフリカを支援し、10万キロメートル近くの道路と、1万キロメートルを超えた鉄道を建設してアップグレードしました。過去わずか3年間の中で、中国企業はまたアフリカに対し、110万以上の雇用機会を提供しました。中国は16年連続でアフリカ最大の貿易相手国となりました。アフリカの姉妹兄弟にとって、中国・アフリカ協力は目に見え、手で触れる、実在の利益を感じられるものです。昨年、ガンビアのある農民はわざわざ自家産の米を湖南省に送り、袁隆平先生に敬意を表しました。中国のハイブリッド米のおかげで、彼らが飢餓から脱出し、希望を迎えるようになりました。このような物語は、毎日アフリカで生じています。
アフリカは21世紀の希望の熱い土で、アフリカの近代化が実現できないとしたら、世界の近代化がありあせん。アフリカの安定と発展は人類の共同運命に関わっています。世界はアフリカの声に耳を傾け、アフリカの関心事項を重視すべきです。今のアフリカは新たな覚醒を経験しており、アフリカが自主的・自強的発展の新しい道を歩き出すことを、各国は支持すべきだと思います。
今年は北京サミットの成果を実行に移す初めの年です。我々は中国・アフリカが手を携えて近代化の「10のパートナー行動」に基づき、アフリカの工業化と農業近代化のプロセスに力をいれ、100%の税目製品の「ゼロ関税」措置を実行し、デジタル・グリーン・AIなどの新たな成長ポイントを育成し、1000の小さくて美しい民生プロジェクトを推進し、国政運営の経験交流を強化し、アフリカが国際事務における代表性と発言権を向上させていきます。今年のG20サミットは初めてアフリカ大陸で開催する予定です。中国側は南アフリカが議長国の職責を履行し、グローバル・ガバナンスに鮮明たる「アフリカの印」を残させるよう、断固として支持していきます。
フェニックステレビ記者:このところ、個別な西洋国から、「国連総会2758号決議(アルバニア決議)」は一つの中国原則とは異なり、台湾の主権所属を明確にせず、台湾の国際機構への参与を阻止していない」との論調がありました。これにつきましてご意見をお伺いしたいと思います。
王毅:このような論調は、国連の権威と戦後の国際秩序に公然と挑戦し、非常に無稽で危険なものです。このような論調を広める人には、まず基本知識をちゃんと勉強してもらえばと思います。
台湾は中国領土の分割のできない一部分です。これは歴史でもあり、事実でもあります。今年は台湾復帰80週年にあたります。中国人民抗日戦争の勝利により、台湾を中国の版図に戻しました。主要戦勝国が当時発表した『カイロ宣言』と『ポツタム宣言』には、日本が窃取した台湾を中国に返還すると明確に規定され、日本も『ポツタム宣言』を承認すると表明し、無条件降伏をしました。これらにより、中国の台湾に対する主権が確認され、戦後の国際秩序の重要な部分が構成されました。
1971年、国連総会では圧倒的多数で「国連総会2758号決議(アルバニア決議)」が可決され、中華人民共和国の国連におけるすべての合法的な権利を回復させることと、台湾当局の代表を直ちに国連とすべての関連機構から追放することを決定しました。この決議により、台湾を含む全中国の国連における代表権問題が解決され、「二つの中国」や「一中一台」をこしらえるすべての可能性が徹底的に否定されました。国連における台湾地域の唯一の呼称は、「中国台湾省」です。台湾は従来から一つの国家ではなく、過去もそうですが、今後も国家になる可能性は絶対にありません。「台湾独立」を煽り立てることは、国家を分裂させようとし、「台湾独立」を支持することは、中国の内政を干渉しようとし、「台湾独立」を容認することは、台湾海峡の安定を破壊しようとすることとなります。
主権原則は国連憲章の礎で、いかなる国や人であっても、いわゆるダブルスタンダードを設けるべきではありません。各国の主権と領土保全を尊重するなら、中国の完全統一の実現を支持すべき、一つの中国を堅持するなら、あらゆる形の「台湾独立」を反対すべきです。祖国の完全統一の実現は、全中華民族の共通の願いであり、大勢の向かうところや、大義の有りどころでもあります。「台湾独立」や分裂の火遊びをしたら、自らを焼くだけとなります。「台湾をもって中国を制する」という考えは、蟷螂の斧に過ぎません。中国は、最終的に統一されるようになり、また必ずや統一となります。
パキスタン通信社:中国が一貫して周辺地域を最も重要視しておりますが、アメリカはこの地域に中距離ミサイルシステムを配備し、対立を挑発しようとしています。中国は周辺情勢をいかに認識し、周辺外交にどのような新たなお考えがありますか。
王毅:今世紀に入り、アジアは迅速な発展の勢いを保ち、世界の発展を牽引する地域と平和安定のオアシスとなりました。この局面が決して容易なことではなく、大切にしなければなりません。アジアは中国の生存の基盤であると同時に、中国とアジア諸国の共通の故郷でもあります。習近平国家主席が提出した「親誠恵容」(親睦・誠実・互恵・包摂)の周辺外交理念の牽引により、中国は周辺国家との友好協力の新たな局面を切り開きました。現在、中国は周辺17カ国との間で運命共同体の合意に達し、中南半島と中央アジアで運命共同体の「2つの群集」を作りあげました。我々はまた、周辺25カ国と「一帯一路」の協力協定が結ばれ、その中の18カ国の最大の貿易相手国であります。今日の中国はアジアにおける安定した重心であり、経済発展のエンジンであり、地域安全保障の支柱となりました。
当然のことながら、隣国同士には摩擦が生じることが到底免れません。歴史遺留問題も現実的利益の矛盾も適切に対処しなければなりません。しかし我々は「家庭が円満であれば、万事がうまくいく」ことを信じています。「共通の故里」の理念を持ち、「運命共同体」の方向を貫き、平等に協議し、お互いに気を配りつつ理解し合えば、必ず食い違いを解消し協力ウインウインに達することができるでしょう。中国側も引き続き一方的開放を含む周辺国家への開放を拡大し、周辺国家とより多くの発展の成果を共有してまいります。
アメリカが本地域で中距離ミサイルシステムの配備について、中国は断固反対し、地域の国々もそれに対して歓迎していません。アメリカは所謂「インド太平洋戦略」を提起して数年も経ちましたが、地域国家のために何の貢献をしたのでしょうか。紛争を引き起こすだけで、他に何もありませんでした。まさに「事をなさず、害をするのみ」であります。
アジアは大国競争の「闘技場」ではなく、国際協力の模範畑であるべきであります。我々は開放的な地域主義と相互尊重と互恵ウィンウィンの上で、アジアの発展の機会を共有する事を提唱します。
AFP通信記者:中国とヨーロッパは、特に新エネルギーと電気自動車分野で長期的に緊張した経済貿易関係に面しております。こうした状況下で、外交部は中欧関係についてのお考えお聞かせください。
王毅:今年は中欧外交関係樹立50週年になります。半世紀にわたる双方の往来を振り返えれば、最も貴重な経験は相互尊重で、最も強い原動力は互恵・ウィンウィンで、最も一致した共通認識は多国間主義で、最も的確な位置づけは協力のパートナーであります。
50年来、中欧協力は長足の発展を遂げ、貿易総額が24億ドルから7800億ドルまで増加し、投資額がほぼゼロから2600億ドル近くまで増えました。中欧貨物列車の運行本数が計10万列を突破し、アジアとヨーロッパをつなぐ黄金の通路となりました。
50年後の今日、中欧経済総額は世界の三分の一を超え、中欧協力はより戦略的な意義と世界的な影響力が有します。健全で安定した中欧関係は、お互いに利益をもたらしていくだけでなく、世界を灯してまいります。
今年の年頭に、習近平国家主席が欧州理事会のコスタ議長と電話会談を行った際に次のように指摘しました。「国際情勢は深刻且つ複雑であればあるこそ、中国とヨーロッパが外交関係樹立当時の初心を堅持し、戦略的意思疎通を強化し、戦略的相互信頼関係を増進させ、パートナーシップの位置づけを堅持すべきであります。中国はヨーロッパに対し、依然として自信を抱え、ヨーロッパも中国の信頼できるパートナーとなれると信じています。双方は、友好的な協議を通じて、問題を解決することによって、期待に値する次の50年を共に切り開く能力と知恵を持っています。
中国日報:世論調査によると、東南アジアの人々の中国に対する好感度は大幅に上がりました。欧米諸国と比べ、東南アジア、アフリカ、ラテンアメリカなどグローバルサウスの国々が中国に対してプラスな評価を与える傾向が見られます。関連世論調査の結果とそれぞれの違いについていかがお考えでしょうか。
王毅:人民友好は両国関係の基礎でもあり、平和を促進させる原動力でもあります。中国経済と社会が持続的に発展し、ハイレベルの対外開放が絶えず拡大するのにつれて、中国と世界各国国民の交流がより一層緊密になり、心の距離が絶えず縮まりました。
グローバルサウスの国民が中国に対してプラスな評価を与えるとおっしゃいましたが、それは確かに事実です。中国は発展途上国の国々と誠意を持って付き合い、心を通わせ、お互いに親近感と連帯感があります。それと同時に、先進国の国民の中でも中国を発見し、親しむこともブームになりつつあります。中国での旅行をネットで共有しても、SNSで互いに交流しても、皆さんが安全で開放的現代的な国を体験し、優しくてオープンで面白い中国人と知り合いました。あるアメリカの若者が中国国民から満ち溢れるほどプラスエネルギーを感じたと話しました。
人民の判断は偏見を取り除く日差しです。心と心のつながりは葛藤を打ち破る力です。各国友人がインフォメーションコクーン(情報の繭)を脱出し、「色眼鏡」を外し、自分の目でより生き生きとした真の中国を観察し、開かれた心で14億の中国人民の活力を感じることを歓迎します。
日本共同通信社:昨年11月、日本の石破茂首相と中国の習近平国家主席はペルーで会見しました。その後、二国間の友好往来は日増しに活躍しつつも、各懸案もまだ残っています。王外相に今の日中関係についてご意見をお伺いしたいと思います。また、日本側が関心を持つ水産物輸入の再開や、日本企業の中国におけるビジネス活動に対する不安と期待に、中国側は積極的にご対応していただけるのでしょうか。
王毅:昨年11月、中日両国指導者は重要な共通認識に達し、4つの政治文書の精神に基づき、中日戦略互恵関係を包括的に推進し、新時代にふさわしい建設的かつ安定な中日関係を構築することで一致しました。双方がともに努力したうえ、中日関係は改善と発展の積極的な勢いにあります。両国各業界が引き続き交流を強め、互恵協力を深め、国民感情を改善することを歓迎します。これは双方の長期的利益に合致することであります。お話に触れた日本側の具体的な関心事項について、中国側は一貫として責任のある態度を取り、法律と法規にしたがって善処します。
この場で特に強調したいのは、今年は中国人民抗日戦争勝利80週年であることです。歴史を銘記することは、よりよく未来を切り開くためであります。歴史の風化を許せば、歩むべき道を迷うことになります。当時、日本軍国主義は中国とアジア各国の人民に暴虐な罪を犯し、日本国民にも重い災いをもたらしました。軍国主義の亡霊の復活を防ぐことは、日本にとって一瞬たりとも気を緩めてはいけない果たすべく義務であり、挑戦されることのできない中国とアジアの人民の堅固たる意志でもあります。誠実と良識に試される日本は、平和憲法を厳守し、平和発展の道を歩まなければなりません。
一つの中国原則は、中日関係の政治基礎であります。台湾が中国に復帰して80年もたった今、日本にはまだ反省をせぬ、「台湾独立」勢力と裏取引するものがいます。これらの人には厳粛に以下のように告げます。「台湾有事は日本有事」を煽り立てるより、台湾問題を利用して事を構えるのは、日本自ら事を招く同然であると覚えておいてください。
中日の間には、長い相互往来の歴史があります。中国が平和を愛する力であり、信義を重んじて調和を築く隣人でもあることは、日本が最もわかっているはずです。千年にもわたり、中国が日本にもたらしたのは、終始チャンスであり、脅威ではありません。歴史的な大変局に立ち向かい、何が隣人としてのあるべき姿なのか、何が大勢の赴くところなのか、日本側の有識者は熟慮しながら、正しい道を歩むべきです。
ブラジル・サンパウロ新聞記者:先月、アメリカのルビオ国務長官初めてラテンアメリカを訪問した際に、もし中国と距離を置かなければ、アメリカが関連措置を取ると脅かしました。このような圧力に面し、中国はいかに対応するのでしょうか。これはまもなく開催される中国・ラテンアメリカフォーラムの議題の一つとなるのでしょうか。
王毅:中国とラテンアメリカの協力は南南協力で、お互いに支持しあう関係だけであり、地政学的な策略がありません。ラテンアメリカ諸国と付き合う時、中国は終始して平等に扱い、互恵ウインウインの原則を堅持し、勢力範囲を求めたこともありませんし、どちらの国を狙っているわけでもありません。
ラテンアメリカ人民が建設したいのは、自分の家であり、他人の裏庭ではありません。ラテンアメリカ諸国が期待しているのは、独立自主であり、モンロー主義ではありません。中国とラテンアメリカとの協力が歓迎されるのは、ラテンアメリカの人民の意思を尊重し、ラテンアメリカ諸国のニーズに合致し、ラテンアメリカの振興にも頼もしい選択肢と明るい未来を提供しているからです。
新時代以来、習近平主席とラテンアメリカの指導者が構想を立て、指導しているもとで、中国・ラテンアメリカフォーラムメカニズムの支えのもとで、中国・ラテンアメリカ運命共同体建設には実り豊かな成果を遂げ、全体の国民に恩恵を及ぼしています。
今年は中国・ラテンアメリカフォーラム設立10週年に当たりますが、中国側は今年の前半に中国でフォーラム第四回閣僚級会議を開催する予定です。双方はこれをきっかけに、山と海を越え、妨害を排除し、中国とラテンアメリカとの協力を新たな段階へと推し進めていきます。
東方衛視記者:近年来、世界経済の成長は鈍化し、中国経済も一部のチャレンジに直面しました。中国の経済情勢をいかがお考えるのでしょうか。今年、中国外交はどんな新しい措置を打ち出し、中国式近代化と経済社会の発展により良く貢献していくのでしょうか?
王毅:昨年、中国経済は5%の成長が実現し、主要大国の中で依然として「一輪の花が際立つ」存在となりました。そして、この成績は、グリーンのモデル転換を大いに推進した中でとったもので、グローバル的な成長低迷という背景の下で達成し、更にはアメリカなどの国々からの一方的な制裁と圧力を乗り越えて勝ち取ったものであり、中国経済が困難に立ち向かい、積極的に行動するという鮮明な特徴を示しています。
習近平主席がこういうふうに指摘しました。「我々は、昔から風雨に洗われながら成長し、試練を経て大きく成長してきました。」国際金融危機であっても、コロナの衝撃であっても、中国経済はいつも巨大な試練に耐え、より良い発展が実現できました。我々の自信の源は、中国の超大な市場規模と国内のニーズにあり、中国の強大な産業システムとイノベーションの原動力にあり、中国の高いレベルの開放という断固とした行動にあります。「次の中国は、やはり中国だ」と、人々はよく言っているように、中国奇跡の前半は、史上例のない高速成長であり、後半はより素晴らしい質の高い発展となります。
中国外交は、中国式近代化の実現のために、持続的に強固な戦略的支えを提供し、有利な外部環境を作っていきます。我々は、より便利な往来のチャンネルを構築し、今までは38ヵ国に対して一方的にビザ免除を実施し、54ヵ国に対してトランジットビザ免除を240時間に延長し、ビザ免除の「友人グループ」は更に拡大する見込みで、中国を訪れることが、引き続き国際的な新たなトレンドとなります。更に効率の高い外事サービスを提供し、外交と外事資源を統合させ、外交部のグローバルプロモーションのイノベーションとグレードアップを図り、さらなる開放と協力の橋渡しを作ります。我々は、より最適化されたビジネス環境を作り、制度型の開放を着実に拡大させ、秩序をもって自主的な開放を拡大させ、最貧国に対して一方的な開放を持続的に実施し、ネガティブリストをますます短くし、参入障壁をますます低くし、中国を常に外資系企業の投資先としての第一選択肢にし続けます。
シンガポール連合早報記者:中国とASEAN諸国は、「南海行動規範」に関する協議の中で、どんな新たな進展を遂げたのと、主にどんな困難があるのか、お聞かせください。過去の一年間の中で発生した、中国とフィリピンとの南海における摩擦は、協議の先行きを悪化させるものになるのでしょうか。
王毅:過去一年間、中国とASEAN諸国の共通努力の下で、南海情勢は平和と安定を保ち、依然として国際航行と飛行の最も安全で、最も繁忙な海域でもああります。中国とインドネシアは、海上共同開発に関する政府間の共通認識の文書を署名しました。中国とマレーシアは、海洋問題に関する二国間対話をスタートしました。中国側はすべての南海当事国との間で対話メカニズムの構築を包括的に実現しました。実践が証明しているように、対話を通じて、解決できない難題がありませんし、協力で達成できない目標もありません。
中国とフィリピンとの摩擦について言及されましたが、先般、ある国際フォーラムで、ある地域国家の政府関係者(シンガポールの国防長官)がフィリピンと中国側との摩擦を一幕の「影絵劇」に喩え、とても形象的だと思います。フィリピン側の海上での行動はその都度、脚本を書いたのは域外勢力であり、放送を担当したのは西側のマスコミであって、その内容はまったく一緒で、すなわち下心をもって中国を誹謗中傷するためでした。人々はすでにこの繰り返された茶番劇を見る興味を失いました。中国側は、引き続き法律に基づいて自分自身の領土主権と海洋権益を守り、仁愛礁と黄岩島を管理・コントロールする際にも、実際なニーズに応じて、人道主義の精神を体現します。この場で明らかにしたいのは、権利侵害や挑発は必ず自業自得になり、コマとして利用されるだけなら結局見捨てられるだけだ。
南海の善隣友好、長期的な安定を実現するためには、信頼関係もルールも必要であります。肝心なのは、「南海に関する各方行動宣言」をよく実行させ、「南海行動規範」をよく制定することであります。中国側の後押しにより、「南海行動規範」に関する協議のプロセスが加速され、案文の読会はすでに完成し、合意達成の見通しに自信を持っています。中国側は、ASEAN諸国とともに、対話を強化し、妨害を取り除き、同を凝らし異を解消し、早期に「南海行動規範」を達成させ、南海を真の平和の海、友誼の海、協力の海にしてまいります。
北京日報:今年は第4回世界女性会議開催30周年です。2020年、習近平国家主席は中国が今年グローバル女性サミットを再度開催すると表明されました。サミットの準備状況をご紹介していただけますか。
王毅:明日は国際婦人デーです。この場をお借りして、女性同胞の皆様にお祝いの意を表します。
1995年、中国が国連の第4回世界女性会議を主催しました。会議では「北京宣言および行動綱領」が採択され、国際社会のジェンダー平等事業の一里塚となりました。北京世界女性会議開催30周年に際し、習近平国家主席が提出した重要なイニシアチブを実行するため、中国は今年下半期にグローバル女性サミットを再度開催する運びとなりました。
30年来、中国は北京世界女性会議の精神を実践し、中国女性事業が歴史的成果を成し遂げたことを後押してきました。我々は男女平等などの基本国策を貫徹し、女性包括的発展を促進する国家行動計画を実施しました。数えきれないほど多くの立派な女性が時代の模範をとなり、中国式現代化のために重要な貢献をされました。
30年来、中国は実際の行動でグローバル女性事業の発展をリードしてきました。我々はUNウィメンの仕事を支持し、ユネスコと協力して女子児童及び婦人のための教育賞を設けました。発展途上国で100つの「母子保健事業」の実施を支援し、180余りの国と地域で20万人余りの女性人材を育成しました。
30年前、北京は世界各国の女性の平等を求める決心を見守りました。30年後、各方は再び北京に集結し、グローバル女性事業発展の大きなビジョンを共に協議します。より多くの女性が多彩な人生を送り、夢を実現することを心より期待しております。
プレス・トラスト・オブ・インディア:インドと中国のハイレベル往来の推進のもとで、両国はついに行き詰まりを突破することに成功しました。これからのインドと中国関係についてご意見を伺いたいです。現在、世界が劇的な変動期を迎えるなかで、インドと中国は持続的な関係を構築することが可能でしょうか。
王毅:中国とインドの関係は過去一年において改善の道を示しました。昨年10月、習近平主席とモディ総理はカザンで会見を成功裏に行い、中印関係の改善と発展の戦略的な牽引をしました。双方は両国指導者の重要な共通認識を着実に実施し、各レベルの交流と実務協力を強化し、一連の積極的な成果を遂げました。
中国とインドはお互いに重要な隣国であります。中国側は終始として、双方が協力しあうパートナーとなり、「龍象共舞」(龍である中国と象であるインドが共に舞う)を実現させることは双方にとって唯一正しい選択肢であります。
2つの最大の発展途上国として、我々の共通目標は各自の発展振興を加速させることであります。双方がお互いに支持し、緊密に協力すべきであり、相手の力を消耗させ、互いに警戒することをやめるべきであります。これは両国と両国人民の根本的利益に合致します。
2つの長い歴史を持つ文明国として、我々は公平かつ合理的な解決案を達成するまで、辺境地域の平和と安定を維持する十分な知恵と能力を持っています。辺境の議題で両国関係を定義しないことを堅持し、具体的な食い違いによって両国関係の大局に影響を与えないようにします。
グローバルサウスの重要なメンバーとして、我々は先頭に立って覇権主義と強権政治に反対する責任があります。両国の正当な利益を守るだけでなく、国際関係の基本的準則を守る必要もあります。中国とインドが手を携えれば、国際関係民主化とグローバルサウスの発展と拡大を実現する希望が大いに持てます。
今年は中国とインド国交樹立75周年であります。中国側はインド側と共に努力し、経験を総括し、未来を切り開き、中印関係が健康かつ安定した軌道に沿って前進するよう推し進めます。
中国新聞社:昨年、中国は海外から1万人以上の同胞を安全で引き揚げました。最近、オンライン賭博・特殊詐欺などの多国間犯罪活動が世論の注目を集めました。ますます多くの中国人が出国するのに伴い、外交部はいかに在外国中国公民の合法的権益をより良く保護し、国民に強心剤を打つのでしょうか。
王毅:中国共産党中央は海外同胞に高い関心を持ち、皆さんの安否は常に我々の心にかけています。2024年、我々はレバノン、ハイチなどのハイリスク地域から1万人以上の中国公民を安全に引き揚げ、5万件余りの領事保護事件を処理し、50万通余りの12308ホットライン電話を受理し、5000点余りの海外安全に関する注意喚起メッセージを発信しました。我々の目標は、咫尺天涯にしても、祖国は常に身近にあります。
オンライン賭博・特殊詐欺は国民の大なる心配事であり、我々がしっかりとフォローする要件でもあります。この間、中国と周辺国指導者の共同な関心のもと、法執行機関と外交当局は緊密に連携し、有効な多国間協力を展開し、全力で救助を待つ中国公民を救い出しました。国境の近くにあったミャンマー北部の特殊詐欺団地はもうすべて排除し、5万人以上の容疑者が強制送還されました。また、一部の犯罪者がタイ・ミャンマーの国境周辺などの地域に逃げ回ったことに対して、中国・タイ・ミャンマー・ラオスは協力して集中的に打撃し、徹底的な調査を経て、今1万人以上の不法者を段階的に審査し、強制送還しているところです。我々の任務は、人民大衆に出した魔の手を打ち切り、オンライン賭博・特殊詐欺という毒の腫瘍を摘出することです。
2025年、我々は「3つの一」をめぐって、海外平安中国システムを構築する見通しです。1つ目は一つの海外安全保護国際協力プラットフォームを作ることです。各国、とりわけ「一帯一路」を共に建設する国、そしてランカン・メコン協力参加国と安全保護協力を深化させ、助けし合う「友好の輪」を拡大させて参ります。2つ目は一つの海外領事保護の救助要請ホットラインを開設し、全天候型・ゼロ時差型の相談と協力を提供して参ります。3つ目は一つのリスク早期警戒・緊急時対策の連動メカニズムを健全化させることです。これによって海外同胞に効率良く、質の高い領事保護と協力を提供して参ります。